~~
東京都江東区の豊洲市場で1月5日、今年最初の取引となる「初競り」が開かれ、238キロの青森県大間産クロマグロが、この日最高値の1億1424万円で競り落とされた。都によると、記録が残る1999年以降で4番目。
仲卸の「やま幸」(江東区)と「鮨 銀座おのでら」などを運営する会社が共同で落札した。過去最高落札額は、旧築地市場(中央区)から移転後初となった2019年の3億3360万円。昨年は3604万円だった。
やま幸の山口幸隆社長(61)は「最近の景気の良さを感じ、1億円はいくと思っていた。決め手は鮮度と発色の良さ。寒い中、釣ってくれた漁師さんに感謝しています」と話した。能登半島地震に触れ「自粛するべきか複雑な思いもあったが、明るいニュースも必要と挑んだ」とした。
最高値「念願かなう」
238キロのクロマグロを釣ったのは、青森県大間町の漁師菊池正義さん(57)だ。自宅で取材に応じ「一番マグロに選ばれたのも、値段にもびっくり。去年、おととしと2番だったので念願かなってうれしい」と笑顔で話した。
最高値を付けたクロマグロを釣った漁師の菊池正義さん(左)と息子の正真さん=5日午前、青森県大間町
菊池さんは漁師歴約30年で「第57大運丸」の船長。今回のマグロは下北半島・尻屋崎沖で昨年12月31日未明に息子の正真さん(32)と釣った。「大きくて身質のいいマグロが取れた。おいしく食べてほしい」と語った。